2012年3月12日月曜日

多摩美情報デザイン卒業制作展

先日は多摩美術大学の情報デザイン学科の卒業制作を観に行ってきました。

春先は多くの美術大学が卒業制作展を行いますが、仕事上、どうしても観に行けるのがこの時期になってしまいます。

昨年は観る事が出来なかった5美大展も行きました。
芸大と違って出展数がべらぼうに多いので、全部観るのも一苦労です。
でも、展示数が多い分、お気に入りの作品と出会える確立も高くなります。
今年は特に当たり年だったような気もしました。





多摩美の情報デザイン学科は、年々冴えた作品が増えています。
これは技術を身に付けさせるよりも、伝える側の姿勢を強く意識させる水準の高い指導が情報デザインで行われているのだと思います。
これに応える学生たちもすばらしいですね。少子化の中、志願者が増えるのも納得です。




せっかくなので、作品の写真も取ってきました。

キサビ卒の相川さんの作品です。
江戸の町を相川さんが江戸っ子たちと会話をしながら冒険します(笑)
春からは慶応大学の院生です。楽しみですね。

キサビ卒のベサキさん。彼女の日常に関わるテーマを持った作品。
高齢化社会とそこに関わる若い世代の課題をやさしい感性で表現しています。



キサビ卒のミオさん。自分の家紋の手ぬぐいは普通に欲しくなります。
ミオさんが勤める企業と微妙に繋がるのは偶然だそうです。
学生の頃、僕がかなりハマった作品を作った会社に勤めるなんて不思議です(笑)

キサビのホームページ制作ではお世話になったヤマハ君の作品。
モニターの宇宙空間上にコメントを載せた画像付メールを送ると、画像だけ
が宇宙を漂います。
モニター上の画像にカーソルを合わせると、ipadの画面にコメントが出ます。
メッセージの新しい伝え方ですね。洒落ています。

ここからは、個人的に気に入った作品です。
キーボードに好きな言葉を入力すると、モニターに入力した「言葉」
が含まれたウェブ上にあるツイッターのつぶやきが現れます。
つぶやきはモニターに映された自分の手の上をゆらゆら漂っていま
すが、ツイッターは日々行われているので、現れるつぶやきは一定
ではありません。
モニターを通して人々の心の揺らぎを体験できる作品です。
手袋の手首の辺りに脈を感じる機能があり、センサーとなった
小さなクッションを握ると自分や相手の脈を体感できる作品。
恋人や親子など、いろんな愛のある現場で使えるね。
個人的には病院に置いて欲しい。
これはコンセプトよりもビジュアル的に好きな作品。
空間の中に光の円盤が浮いています。
円盤には夢日記が記されています。
視覚的に詩的な作品だと思います。
ウィスキーなどのボトルに記されたラベルのエンボスから
ラベルの刻印が浮き出た丸い氷を作れる作品。
ウィスキーが好きなので飲みたくなりました。
何より作品の見せ方が洒落ています。

他にもいろいろと興味深い作品がありましたが、キリが無いのでこの辺で。